所 長 挨 拶
現在、地球上には80億人の人類が生活しています。IT革命により、情報は瞬時に世界を駆け巡り、交通手段の進化により、人や物資の移動も効率化されています。一見、文明は進化しているように見えるますが、この度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による空前のパンデミックで、近代文明の脆弱さが、白日の元に晒されてしまいました。一方では、ロシアによるウクライナへの侵攻をはじめとして、パレスチナとイスラエル紛争や、大国と少数民族との対立など、人類同士の争いも後を絶えません。そして、第3次世界大戦の危機も危惧されています。人類は何処へゆこうとしているのでしょうか。
私は、地球上で起こっていることを俯瞰的に眺め、情報を系統的に整理し、誰もが納得できるような解決策を捻出するには、新しい哲学が必要ではないかと考えます。その哲学は、子供から老人まで、全ての世代の人たち、また、全ての国の人たちが容易に理解できる普遍的なものでなくてはなりません。
私は、北里大学の教員の時期(1964年〜2007年)に、新入生に対する一般化学の講義の中で、科学全般の入門的な話をしてきました。それは、その後、「宇宙生命哲学」という新しい哲学の提唱へと発展しました。宇宙生命哲学は、宇宙的視野に立った生命哲学で、地球上に現存する人類の一人一人が、宇宙における立ち位置と役割を踏まえ、尊厳を持って生きるための哲学です。この哲学は、まだ生まれたばかりで、これから更に完成度を上げていかなければなりません。
そこで、この度、相模原市南区に、サイエンスカフェ・コスモス(宇宙生命哲学研究所)を開設しました。ここを拠点に、各種の執筆活動、出張講演、科学談義、各種演示実験の開発・提供などを通して、「宇宙生命哲学」の社会への普及を目指しています。皆様からのご支援・ご鞭撻を心からお願いする次第です。何とぞ宜しくお願い申し上げます。
サイエンスカフェ・コスモス(宇宙生命哲学研究所)
所長 伊藤 俊洋
2023年10月