宇宙生命哲学とは
・地球上の生命現象は、原子・分子レベルでは、過去から現在、さらに未来へと循環している。原子論的には、全ての生物が過去の生物の生まれ変わりであり、全ての生物が、未来の生物に生まれ変わってゆく。生命は、地球環境の中で原子の組み替え反応として、ぐるぐる循環している。生物の死とは単なる生命の終焉でなく、新しい生命への移行と考える。
・全ての生命現象は、原子と原子の間の電子雲の変化(化学反応)として理解できる。現在、まだ多くの事が理解できていないのは科学が未熟なためである。逆につまり、科学の未来には、広大な未開の原野が残されている。
・生命現象は、地球環境の中で発現する。現時点で、生命現象が地球環境なしに存在した例はない。そこで、地球全体を、時空を超えた高次元巨大環境生命体と考えることができる。
・人類は、この宇宙船地球号の頭脳細胞であり、羅針盤である。地球という惑星の運命は、人類の頭脳に託されていると考える。
・文明は、人類が記録技術を発明することによって誕生し、発展し続けており、科学の階層性という概念で纏められる1)。この概念に基けば、科学を俯瞰的に、また、系統的に理解することができる。
もう少し身近に、どう生きるかを考えてみよう
人の一生は、素敵な地球人になる終わりのない練習であると考える。素敵な地球人の定義は、人それぞれに違って良いと思う。練習だから失敗は許される。失敗しても、失敗しても、諦めず、死ぬまで練習を続ける。
さて、素敵な地球人になるための心得を列記してみよう。
・常に宇宙から地球を観る感覚で思索する。
・物事を科学的に考える。
・原子論に基づいて考える。
・生命にとって、最も大切なものは、地球環境であると考える。
・地球が自分の家だと思って、思索し、行動する。
・現在の生活基盤は、過去の人類の努力の賜物であると考える。
現時点で、私は、次のような人を素敵な地球人であると考えている。
素敵な地球人は、
国家・人種・民族・宗教・性別・貧富の差・文化・文明の壁を越えて仲良くする。
あらゆる人権を尊重し、民族の多様性、生物の多様性を尊重し、あらゆる生物を大切にする。
戦争をしない。
無闇に空気や水や土壌を汚さない。
生活を楽しむ。
そして、自分の心の宇宙を、広く、深く、豊かなものにする努力を死ぬまで続ける。
素敵な地球人としての自覚を持った科学者、教育者、政治家、経済人、芸術家、宗教家、企業人などが増えれば、地球はたちまち穏やかで、棲みやすい環境になるのではないか。
1)Itoh T. (2021) New Opinion of Anthropocene Based on Astrobiophilosophy for the Post Corona Human Lifestyle: Earth can be regarded as a High Dimensional Environmental Giant Life. Arch. Environ. Sci. Environ. Toxicol. 4: 132.